第9回 国民生活体育協議会長杯
日韓親善フットサル大会2006

−大会レポート−

 平成18年12月2日(土)・3日(日)にかけて、韓国は龍仁市(ヨンイン市)体育館にて「第9回国民生活体育協議会長杯・日韓親善フットサル大会2006」が開催された。この大会は日韓のスポーツを通じた交流と友好の場を創るとともに、両国のフットサルの振興と強化を目的とし、合わせて市民レベルの親善をはかることを目的として毎年開催されている。今年で9回目を迎えることができた。これもひとえに現地国民体育生活フットサル聯合会の協力があってこそのものである。

 今回の日本からの参加チームは、第9回日韓親善フットサル大会出場権争奪杯で優勝し、韓国行きを手にした「Public Voice」。出場権争奪大会では強豪を次々に破り、決勝戦も延長の末韓国行きのチケットを手に入れた。
2005年関東大学リーグで準優勝するなど実力は本物。また各々チームに所属し、そこで身に付けてきたものをチームですり合わせるなど、チーム力がある。
 2チーム目は元Jリーガー安永聡太郎さん率いる混成チーム。また森崎嘉之さん(元JEF市原)、式田高義さん(元JEF市原)などの名を連ね、その他の選手も各都道府県リーグなどに出場している選手などが終結。個々の能力の高さでチーム力をいかにチームプレーに反映できるかが課題ではないかと選手兼監督としてチームをまとめた川里選手は出発前話してくれた。
 韓国チームは、今大会4チームが出場。まず、地元龍仁(ヨンイン)市を代表する強豪「京畿・龍仁(ギョギ・ヨンイン)」。来年のアジア選手兼代表候補も名を連ねるチーム。今大会初出場の「慶北・亀尾(ギュンブック・グミ)」、大学生No.1と呼び声高い「臺灣大学(ウーセック大学)」、最後の1チームは「大・イェーイル(デグ・イェーイル)」。個々の能力が高く、試合の展開次第では得点を量産するとされているチームの計4チーム。


Public Voice


千駄ヶ谷FC

 大会形式は、日本側2チーム・韓国側4チーム(計6チーム)を日本チームがグループリーグで当たらないよう、3チームずつに分け、リーグ戦(1チーム2試合)を行い、各グループの順位を決定する。その結果をもとに、各グループ上位2チームが2日目に行われれる決勝トーナメントに進出し、全順位を決定するというもの。試合時間は予選リーグ・準決勝・決勝が15分プレイングタイム、3位決定戦が10分ランニングタイムで行うという形式で行われた。

 大会初日の開幕カードは
「千駄ヶ谷FC」vs「京畿・龍仁」。前半早めの段階で安永選手の先取点と幸先のよいスタートを切る。その後2失点で逆転を許す。流れを変えたい千駄ヶ谷であるが、なかなか思うようにペースをつかむことができない。1点ビハインドの前半半ばの得点を皮切りに得点が動き出す。千駄ヶ谷が同点に追いつくと、また放される。逆転すると追いつかれる。そんな激しい攻防が繰り返された。しかし最後は森崎選手の値千金の左サイドから豪快なシュートが決まり6−5で勝利を掴んだ。2試合目も点の取り合いとなるが、こちらも最後は8−5で粘り勝ち。グループリーグ2勝と予選を1位抜けで明日の決勝トーナメント進出を決めた。2位には1勝1敗で「京畿・龍仁」。3位は2敗で「慶北・亀尾」という結果に。

 今大会、なかなか自分たちのフットサルをやらせてもらえなかったのが「Public Voice」であった。初戦の「臺灣大学」戦、厳しい審判のジャッジに悩まされた。日本では当たり前という程当たり前のチェックが全てファールになる。確実に相手のファールと思われるシーンでも相手ボールの判定など、アウェーの洗礼を受けることに。審判のジャッジに関して詰め寄る場面も見られた。これは韓国同士の対戦でも同じで、ジャッジやルールに関してはまだまだ発展途上というところだろうか。そんな状況下、直井選手のファインゴールなどもあったが初戦を3−1と落とした。「臺灣大学」はチーム力を見せつけ2勝しグループリーグ1位で決勝トーナメント1番乗りを決めた。後のなくなった「Public Voice」は決勝トーナメント進出には勝利しかない。そんなチームにはいつもの明るさが欠けていた。2試合目に入る直前チーム全員で円陣を組みなおし、チームが1つに。終始相手にペースを掴まれることもなく、危なげない試合展開で4−2で「多邱・イェーイル」に勝利。グループリーグ2位で2日目の決勝トーナメントに滑り込んだ。


 予選グループの結果をもとに、翌日の対戦が決定。決勝進出をかけた準決勝はなんと日本チーム同士の戦いに。初日の大会終了後、参加選手全員でプルコギを食べに行った。安永選手の乾杯とともに懇親会も和やかに行われた。チーム間も打ち解けたようで、非常に有意義な時間となったようである。明日の試合は恨みっこなしの真剣勝負を誓い、各々その後の自由時行動を楽しんだようである。


出発前に1枚!!

いよいよ大会会場へ!

会場には歓迎の弾幕が!

開会式の模様。みんな少し疲れ気味?

試合前の千駄ヶ谷FCベンチ

試合前に整列するPublic Voice

記念品交換。日本からはペナントが渡された。

激しいライン際の攻防!!

得点チャンスをゴールに結び付けられるか?

乾杯の挨拶をする安永選手

乾杯と同時にみな食べて飲んで満足

韓国名物プルコギをほおばる選手たち


試合前に行われた記念撮影@


試合前に行われた記念撮影A

 韓国国内で今年最も寒い日になると予想されていたこの日程、予報どおりの寒さが身に染みた。温度計はマイナス6度を指していた。選手にとっては寒さも気にはなるところだが、試合のことの方が更に気になるのだろう。会場につくと各チームがアップを始めた。開始時間が近づきいよいよ準決勝が始まった。
 まず、最初にペースを掴んだのは「Public Voice」。早いパス回しから、徐々にゴールの予感が高まってくる。前半3分過ぎに遂にその時が訪れた。前半序盤での先制点が生まれた。その後、試合は膠着状態が続いた。お互いチャンスを作りながらもゴールが遠い。なかなか得点をあげられない。緊張した空気の中前半を終えた。お互いのハーフタイムのベンチは後半に向けた戦術が確認されていた。
 いよいよ後半開始。後半も前半同様なかなか均衡が崩れない。互いの手の内を探るような試合展開が続く。「千駄ヶ谷FC」はパワープレイの準備を進めている。残り3分から勝負に出るようだ。「Public Voice」も隙を見つけてはゴールに迫る。鋭いシュートがゴールに飛ぶが互いのキーパーの好セーブが続く。そんな中、前線へ出たボールに反応した千駄ヶ谷FCのカウンター。最後は安永選手が右サイドから豪快に左隅にゴールを決めた。残り時間は4分強。試合がだんだん激しさをましていく。ファールも貯まり、「Public Voice」が2度の第2PKのチャンス。しかしこの2度のチャンスは生かすことができず、得点ならず。そして試合終了のホイッスルが鳴り、決着はPK戦へ。「Public Voice」1人目が失敗し、2人目をキーパーがナイスセーブ。「千駄ヶ谷FC」も2人目が失敗。「千駄ヶ谷FC」4人目のキッカーが成功し3−1で「千駄ヶ谷FC」が決勝進出を決めた。
 もう1つの準決勝2試合目はこちらも韓国同士の戦い。
「京畿・龍仁」と「臺灣大学」の試合。パスを回す「ウーテック大学」に対して速攻を仕掛ける「京畿・龍仁」が前半・後半に1点ずつ取り、2−0で決勝進出。

 決勝戦前に行われた3位決定戦は、「
臺灣大学」が3−2で逃げ切り、第3位に輝いた。

 決勝戦は予選でも対戦しているチーム同士の「千駄ヶ谷FC」と「京畿・龍仁」の試合となった。序盤ペースを掴んだのは「京畿・龍仁」。前半3分に幸先よく先制。そこから「千駄ヶ谷FC」の反撃が始まった。10分過ぎから立て続けに3ゴールを奪う攻撃力を見せる。1点奪われるも、再度2点差にし4−2で前半を終了。ハーフタイム最後の確認をし、ピッチへと向かう。後半1点を追加した「千駄ヶ谷FC」は後半も終始試合をリードする。残り5分で2点を返され1点差。緊迫した試合展開の中、時間は刻々と無くなっていく。そして遂に試合終了のブザーが体育館に響くと会場は歓喜に包まれた。選手が優勝を分かち合いハイタッチで喜びを表現。
 終了後、閉会式が行われ、大会MVPには「千駄ヶ谷FC」の安永聡太郎選手が選ばれた。閉会式終了後は参加全選手で記念撮影、韓国チームと記念撮影するなど、和やかなムードの中大会全日程を終えた。


準決勝前のPublic Voiceの円陣

勝利を収めた千駄ヶ谷FC

決勝戦へ向う千駄ヶ谷FC


準決勝に臨む日本の2チーム


決勝戦に臨む千駄ヶ谷FC


決勝戦前に行われた記念品交換

第4位に輝いたPublic Voice

見事優勝した千駄ヶ谷FC

 今大会は全体的に韓国チームにフットサルの戦術が浸透しつつあると感じた大会だった。ボール回しも非常にスムーズになり、練習を見ていてもフットサルらしい動きが昨年に増して取り入れられていた。個々の能力が非常に目立った昨年に比べ、チーム力が目立ったのが今大会だった。今後更なる飛躍を遂げるであろう。残念なのはルールや審判などのレベルがプレーレベルまで達していないということだろうか。審判レベルが上がることでプレーの質、動き共にようものになるだろうと感じた。今回参加した日本の2チームは口々に「ルールに困惑した」とコメントしていたように今後の課題でもあるだろう。
 2年ぶりの優勝を果たした「千駄ヶ谷FC」の選手は「非常に満足している。来年も是非韓国のチームと試合がしたい」と放していた。来年で10回目を迎える日韓親善フットサル大会。2冠達成に向け1年後を想像するだけでも胸がドキドキする。

日韓親善フットサル大会は来年も開催の予定! 詳しくはお気軽にセリエフットボールネットまでお問合せ下さい。
あなたのチームにも出場できる可能性はあります!
強豪に挑むもよし、自分たちも実力を試すもよし、 歴史ある大会にチームの名を刻んでみませんか?
みなさんのご参加をお待ちしています。

■ 表 彰 写 真 ■


大会MVPに輝いた安永選手


第4位 Public Voice


優勝 千駄ヶ谷FC


日本チーム全員で記念撮影

■日韓親善フットサル大会 開催の歴史

 第1回大会 (期日:1998年10月31日(土)、会場:洪川・フットサル競技場)

        優勝:ヨンソ(KOREA)、準優勝:大広ケリマッセ(JAPAN)

 

第2回大会 (期日:1999年12月11日(土)〜12日(日)、会場:ヨンチョン初等学校・室内体育館)

        男子/優勝:カスカヴェウ(JAPAN)、準優勝:ヨンソ(KOREA)

        女子/優勝:ヘブロン(KOREA)、準優勝:パラレッズ(JAPAN)

 

第3回大会 (期日:2000年10月28日(土)〜29日(日)、会場:漢陽大学校・室内体育館)

        男子/優勝:ウイニング・ドッグ(JAPAN)、準優勝:アンサン(KOREA)

        女子/優勝:パラレッズ(JAPAN)、準優勝:ヘブロン(KOREA)

 

第4回大会 (期日:2001年12月1日(土)〜2日(日)、会場:アンサン市・ガムゴル室内体育館)

        優勝:ヨンソ(KOREA)、準優勝:PELE(JAPAN)

 

第5回大会 (期日:2002年11月16日(土)〜17日(日)、会場:冨川市・室内体育館)

        優勝:森のくまさん(JAPAN)、準優勝:ガンソ(KOREA)

 

第6回大会 (期日:2003年12月6日(土)〜7日(日)、会場:冨川市・室内体育館)

        優勝:BFC KOWA(JAPAN)、準優勝:ガンソ(KOREA)

 

第7回大会 (期日:2004年12月11日(土)〜12日(日)、会場:冨川市・室内体育館)

        優勝:ソウル・ガンソ(KOREA)、準優勝:L.M.F.C(JAPAN)

 
第8回大会 (期日:2005年12月 3日(土)〜 4日(日)、会場:平沢市新韓中・高等学校内体育館)
        優勝:慶尚北道(
KOREA)、準優勝:CAFURINGA(JAPAN)

 
第9回大会 (期日:2006年12月 2日(土)〜 3日(日)、会場:龍仁市龍仁体育館)
        優勝:千駄ヶ谷FC(JAPAN)、準優勝:京畿・龍仁(
KOREA)

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